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2006年3月 8日 (水)

迷える怪我、鎖骨骨折

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鎖骨骨折をしたことがありますか?耳慣れた怪我だけど今回はこの鎖骨骨折についた書くことにしました。我が家はこれでとても苦しんだので…

ダンナは去年、雨の日に外階段で転んだ。帰宅したのが夜中の2時くらいで片道1時間を自分で運転してきました。私は突然起こされて「病院たのむ」と言われた。「たぶん…折れてる…」ばたん。運転中は無我夢中だったみたいだが、家に到着するやいなや動けなくなった。


 

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「あ〜、折れてるね〜」と医者はなれた口調で言った。

骨折は私もダンナも経験がなかったが、命に別状があるわけじゃなしそんなに心配はしなかった。固定バンドが胸を広げるようにして背中に止められた。背が丸まっていると折れた鎖骨が重なってしまうので、胸を広げて折れた先同士がきちんと並ぶようにする。しかし、後でわかったことだがこれを整骨と言うらしく、鎖骨骨折治療ではとても重要な作業みたいだ。スペシャルな医者になると折れたすぐの骨を手を使って元の位置に整骨するらしい。いっそ殺してくれ!と言うくらい痛い作業らしいが、この時点でうまく並べば骨融合も早く、仕上がりもきれいだ。残念ながらダンナの担当医はスペシャルじゃなかったので、固定バンドでひっぱっただけで手での整骨はしてもらえなかった。治療はこれだけ。痛み止めをもらったが全く効かない。痛くて眠れない日々がスタートした。

初めの2ヶ月は1週間に1度の通院。レントゲン撮影と様子見だけでこれと言った治療はない。前開きの肌着を着てその上に固定バンドをはめる。暑い日などかぶれるのでその塗り薬をもらうくらいだ。前開きのシャツは必要で、全く腕があがらないので服の脱ぎ着は前開きでないとだめだ。もっぱら、検診といっても医者には質問をするだけだ。いつ治るか、なにはよくてなにをしてはだめか、などなど。治療期間は折れ具合にもよるが自然治癒なら若ければ若いほど早い。とにかく折れたうでを前にださないこと、背筋はいつも伸ばしていること。

起きてる時も寝ている時も背中を伸ばしていることの苦痛は、相当のものだった。しかも、ちょっと折れた方の肩が何かに触ったりすると大の男が涙をこらえて痛がるのだ。その状態が2ヶ月は続く。まさに拷問だった。痛みもあるが精神もやられてくる。

その間、私はつききりだ。朝起き上がることから始まり、トイレ、着替え、会社の送迎、通院、お風呂、床につくまで全部私がやる。まさに完全介護状態だ。初めのうちこそ真剣だったが1週間もすると、もう根を上げた。しかし、やはり介護はやる側よりやられる側の方が圧倒的につらいことがわかった。申し訳ないやら情けないやらで、頭がおかしくなりそうだと思う。この介護っつーもんは、くるべき時期がきてこそ受けるもので、若い(と、いってもダンナは48歳)うちは、本当につらそうだ。そう思ったから、私は完全介護を2ヶ月笑顔でやったと思う。これで介護する側が根をあげ文句を言いだしたら、される側はいたたまれないと思う。もちろんこの状態が一生続くわけではない。必ず治るのだ、という望みもあってのことだけど。

そういえば、この間は子供たちに手をやくこともなかったし姑も静かだった。今から思えば、私だけではなく家族中で協力していたな、と思う。

ただ、2ヶ月が過ぎたが一向に骨融合の気配がない。しかもかばっていた反対側の腕が五十肩になって、激痛が走るようになった。もう泣き面にハチ状態だ。この五十肩という病気もやっかいな病気で、経験した人はわかっていると思うけど治療方法がありません。ただただ時期がきて(半年から一年)自然と治る日を待つだけです。痛みが慢性化するまでの初期段階では電気が走るような痛みに苦しめられるのが特徴です。

一方、鎖骨骨折は当初自然治癒という方針で開始したがここにきて、医者が手術の説明をし始めた。3ヶ月も腕を動かさないでいると、鎖骨周りの組織にも悪影響がでてくるからだ。骨融合も心配だが筋肉を動かさないことでその稼働域がどんどん狭くなっていくことも問題だ。肩を動かせば骨は繋がらないが筋肉は動かさないと機能不全になっていく。骨がくっついても肩が動かせなくては本末転倒だ。老人を寝たきりにしてはいけないというのは、そこからきている。じっとしていると筋肉はどんどん不要と感じて退化していく。そして固まって動かせなくなる。

手術は、骨をボルトで連結し肩を動かせるようにする方法とおケツの骨を骨折した隙間に移植して融合させるという2種類がある。前者は骨折してすぐ行う手術だ。あまりにもぼきぼきに折れてる場合に施術される。しかし、この手術は必ずしも成功しない。ボルトの拒否反応や不具合もよくあることで、一番の難所は傷口を大きくするだけで終わってしまうこともあるらしい。もちろん成功すれば入院はあるものの翌日から腕は動かしてもいいし、なにより日常生活に早く戻れることだ。しかし、ダンナが勧められた手術は後者の移植手術だ。これは全身麻酔の大手術だ。しかも、成功するとは限らない。

医者からは筋肉が固まらないよう簡単な運動を指導されたが、ほとんど気休めのようだった。この運動をしても骨はつながらないのだ。それまで趣味が筋トレだったダンナは、早く骨をくっつけて筋トレがしたかった。自分にはとてもストイックな人なので骨をくっつけるためなら、どんな苦しいことも努力をおしまないと思う。しかし、その方法がないのだ。じっと、痛みに耐え融合するのを待つのみだ。ダンナのイライラも3ヶ月うを過ぎた時点で頂点に達してきた。酒やたばこの量が増え、食欲が全くなくなってきた。

 

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そんな時見つけたのが超音波骨融合治療器セーフスだ。ネットでダンナが見つけた。あのベッカムも骨折した時に使ったらしい。すぐ、担当医に相談した。反応を見る限り、担当医はセーフスの知識がなかったようだった。でもすぐ手配しレンタルを開始してくれた。医者の証明があれば使用可能なのだ。3ヶ月以上経過しても骨融合がみられず、義関節と診断されると保険がきく。はじめに35000円ほど支払う。高いか安いかは治ってから感じることで、完治するまで無期レンタルしてくれる。ランニングコストは0円だ。さっそく治療開始!


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手術はやめた。担当医が手術に積極的でなかったこともある。選択肢のひとつとして提案しただけだった。ダンナの折れ方なら自然治癒力を高めるのが最善で安全な治療法だと確信したからだ。

さあ、いよいよ超音波による自宅治療がスタートしたが、痛くもかゆくもなく光がでるわけでもない。まるでおまじないだ。ほんまかいな?これ、って感じ(続く)

 

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(後編)

 

超音波治療器セーフスの照射が始まった。使い方はとても簡単で毎日20分骨折箇所に超音波が照たるようにベルトで固定するだけ。も ちろん、痛くもかゆくもない。私は超音波といえばイメージとして「美顔」。エステとかで超音波治療を庶民が手を出せない金額でやってるでしょ。私の顔にも にっくきメラニンが沈着しており、これにピンポイントで照射すれば…と真剣に考えた。しかし、調べたところMHzの数値がエステとセーフスでは、セーフス の方が倍近く高い。もちろん骨融合治療の用途以外には使うなとある。とどめは照射カウンターが着いていた…ま、とにかくダンナの治療で様子を見てからでも 遅くないとあきらめました。

 

3ヶ月過ぎると通院も2週間に1回になった。相変わらずレントゲンを撮って担当医から所見を聞く。治療は自宅でやるセーフスだけだ。半年過ぎると通 院が1ヶ月に1回になった。初めの頃は、今日こそ骨融合の兆しがあるのではと期待してレントゲンを撮るが、だめだ。今日こそ今日こそと期待すればするほど 裏切られ、レントゲン技師の撮り方がヘタなんだと悪口まででるようになった。骨は動かしてはいけないが周りの筋肉は動かさないと肩が固まってしまうという 恐怖、もちろん動かせば痛いという苦しみ。私は日常生活をサポートするだけで、その恐怖や苦しみを軽くすることはできない。つらい日々が続いた。時には セーフスを叩き付けたい位のイライラもあった。

 

半年たった頃、全く骨融合のみられないダンナに医者が一言聞いた。
「たばこ吸ってますか?」「はい」
「今日からやめましょう。」「は、はい」
喫 煙は骨代謝と骨折の治癒を遅らせ術後は感染のリスクを高め、骨癒合不全率を高めるそうだ。喫煙が創傷と骨折の治癒を妨げることは臨床的にも証明されている らしい。さらに血液循環に重大な影響を与え、心拍数・末梢血管抵抗・血圧・心拍出量・冠状動脈血流を増やします。骨は一日で成らず。まずは毛細血管や細い 繊維から作られ(これはレントゲンには映らない)て、元通りになろうと引っ張り合い少しづつ融合していくらしい。しかし、ニコチンが血流を妨げ伸びていく 毛細血管をつまらせてしまうらしい。

 

ダンナの喫煙歴は長い。しかも1日1箱から2箱だった。骨折してからはさらに増えていた。戦う相手が増えた。しかしその日から禁煙が始まった。ピタ リとやめたその意思はすごいが、やはり体に変調が現れた。禁断症状だ。しかし、一般に聞く頭痛や震えるなどの症状ではなく記憶喪失になってしまうのだ。… と言っても全て忘れちゃうわけでなく、ついさっきの出来事や心に止めておいたことがフっと消滅してしまうらしい。ダンナの言葉を借りれば「記憶が剥がされ ていく」感じがするそうだ。このまま痴呆に成ってしまうのではないかという恐怖感がダンナを襲った。もう、体も思うようにならず頭までおかしくなってき た。

 

会社の人たちにも影響がで始めていたので禁煙は一旦中止した。でも今度は一番軽くてまずい種類のたばこにした。だが、禁煙はしたい。あの恐怖さえな ければできるのに…というわけで今度は禁煙と脳について調べてみた。原因はすぐ見つかった。アセチルコリンという物質だ。アセチルコリンは神経細胞と神経 細胞のわずかな隙間で情報を伝達するという重要な役割をしていて、ニコチンにはこの仕事を勝手に手伝う性質があるらしい。長年喫煙してきた人のアセチルコ リンは、ニコチンのいらぬお手伝いですっかり怠け者になっているらしい。だからいざ、ニコチンが来ないとなるとすっかりパニックになってしまうというわけ だ。しかし、除々にアセチルコリンは復活できるため、やはりニコチンは排除したい。原因がはっきりしたためダンナも落ち着いて来た。ライトなたばこと決別 するのにもあまり時間はかからなかった。今度は記憶が飛ぶこともなくなった。

 

ダンナの骨折で子供たちをどこにも遊びに連れて行かれなかったので、夏休みに海へ行こうとなった。ダンナは乗り気じゃなかったが、日光浴は骨生成に もいいらしいし砂浜で寝てればいいよ、ということで連れ出した。なかよしの加藤ファミリーと一緒に1泊2日で三重県の伊勢に出掛けた。のんびりのつもりが ここで事件発生!目を離したすきにケンとリュの乗ったゴムボートがどんどん沖に流されてしまったのだ。泳げない私はもうパニック!監視塔まで距離があり、 まず砂浜に戻ってビールを飲んでる加藤ご主人とダンナに伝え監視員のところまで砂浜ダッシュ。みるみるケンとリュウは小さくなっていく。もう、涙が止まら なくなった。だれか、助けて!!!監視員をひっぱって「早く早く助けて!」と海岸へ連れて行く。そして沖を見て目を疑った。ダンナが泳いでいる!


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しかし、半年の運動不足は全身をむしばみあっという間にギブアップ。背泳ぎのままダンナは呼吸を整えるため沖で浮かんでいた。そのまま沈んでしまう のではないかと本当に怖かった。幸い沖でスキューバダイビングをしていた女性がボートに気づき、止めてくれた。加藤ご主人が泳いでケンとリュウを連れて 帰ってきてくれた。それを見届けてダンナもゆっくりと戻ってきた。男性2人はアルコールが入っていたので、それはそれで心配だった。翌日の新聞に「会社員 2人溺死。飲酒後に遊泳」の見出しが頭をよぎった。ま、とりあえず、何事もなく本当によかった。ただ、ダンナは無我夢中で泳いでしまったため、鎖骨がまた 振り出しに戻ってしまったかもと不安だった。


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しかし、努力の集大成は転倒から10ヶ月後にやってきた。レントゲンにはっきりそれとわかる白いもやもやが映っていた。そう、骨融 合がすごい勢いで始まったのだ。担当医も喜んでくれた。「もう大丈夫。あとはほっといてもくっつきます。」と言われた。なにがよかったのだろう?その後急 速に骨は再生されていった。超音波治療器セーフス?禁煙?水泳?神?仏?あれ?これ?…きっと全部が功を奏したと思う。


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↑最初の写真と比べてみてね。

 

そして、転倒より1年。鎖骨完全復帰となりました。しばらく動かさなかった肩に痛みはまだあるが、不安はない。自分の体重までのバーベルも上げていいと筋トレのお許しもでた。たかが骨折。されど骨折。たくさんの事を学びました。教訓としては、

成長期を過ぎてからは骨折するな。

ということにつきます。みなさんもお気をつけてください。


今日はとってもイレギュラーな感じです。
いつものアフォ漫画を見に来てくれた人すみません。
以前より、どうしてもこの記事が書きたくて書きたくて…
ついに、我慢ができなくなりました。
参考になる人は圧倒的に少ないと思いますが
明日、懲りずに後編書きます。

 

 

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コメント

鎖骨骨折大変勉強になりました。実はナースなんですが、簡単な疾患?なだけに教科書でもあまり触れていないのです・・・患者さんの、骨癒合の悪さに涙している姿をみて思わずネット検索しました。4週間で治癒と言われているので、治癒しなかったショックが大きくて泣いていましたが、教科書どうりには行きませんよね。きっとDrも固定しか治療がなくどうにも出来ないんでしょうけど、この手記は患者さんに大変喜ばれました。後編の催促もされています。本当にありがとうございました。

投稿: ミッキー | 2006年8月 9日 (水) 22時53分

>>ミッキーさん
コメントありがとうございます。
このブログは過去記事さがしにくいですよね。よく見つけてくれました。
<後編>は見つかりましたか?ブログの左サイドに過去記事が月別でありますので、3月を選んで3月9日の記事を読んでくださいね。でも、この日は記事を2つアップしているのでお間違いのないように。
ダンナの鎖骨骨折は本当につらい思い出ですが、こんな駄文でも参考になれば幸いです。

投稿: バニラファッジ | 2006年8月10日 (木) 11時13分

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