ババシャツ秘話
お義母さんの名誉のために先に言っておくが
お義母さんは市役所を定年まで勤め上げ
退職金も年金もなに不自由なくもらっている。
肌着の1枚も買えないような人ではない。
そのお義母さんの着ている肌着はボロボロだ。
みごとにあちこちが繕ってある。
しかもそれは、とても丁寧に細かく手縫いされている。
ある意味、芸術品に近い魂みたいなものさえ感じる。
お義母さんが、タンスの中の肌着を確認しながら
話し始めた。
子供を3人育てるのは、並大抵のことじゃないのよ。
それこそ、3人を大学までいかせれば
その後、親には自由になるお金なんか一銭も残らないわよ。
今でこそファッジさんも
踊り子のような下着(←レースのキャミのことか!?)を
着てるけど、年を取るとそんな下着じゃだめよ。
その時には、この引き出しを覚えておいてね。
この中に新しい下着がたくさんあるから。
これは、あなたが年をとってから着ればいいのよ。
私は、着古したやわらかい肌着が好きなの。
新しい肌着は全部ファッジさんが着なさいね。
ちょ、ちょっと!
ババシャツ10枚より
そっちの方がずっといいから!
それ、そのまま入れておいてーーっ!
お義母さんのお気持ちはとてもありがたいのだが
やはり、年寄りこそいい物を着ていてほしい。
ババシャツはお気持ちだけで、
現金は現物だけで結構です!
そこのあなた!踊り子のような下着じゃ風邪ひくぞ!
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今日もよろしくお願いします!
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