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2017年6月15日 (木)

独居のターちゃん

 

 

 

 

 

  

本日2回目の更新です。

今日の1回目の記事のリンク先にあった

「重いな」「長いな」「泣くな」シリーズの

過去記事(10年前)を読みやすくまとめました。

お時間がありましたら、ぜひ。
 
 

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 

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おばさんは大きくうなずいてターちゃんに

「病院にうちのママが連れて行ってくれるって。

行く?」

 
 
 

 
電話が終わったおばさんが

「病院に行こうと言ったら

ターちゃんの声が元気になったわ。

ありがとうね。ファッジさん。本当にいいの?」

 
 
 
 

ターちゃんは、お義母さんたちのいとこで

おばさんより3つ年下の75才の一人暮らしだ。

奥さんに先立たれ

娘は嫁ぎ息子も家を出ているそうだ。

なぜ、娘や息子に電話をかけないで

おばさんにかけてきたかはわからないが

事情はありそうだ。

 
 
 
私も2度ほど会ったことがあるが、

おじさんの顔もはっきりと

思い出せないほどの関わりだ。

えらそうに引き受けたものの

時間とともに内心穏やかでなくなってきた。

 
 
 

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だよね。

 

 

 

そして次の日、おばさんとともに

ターちゃんの家へ向かったが

 

 

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私は引き受けた事の大きさを痛感し始めた。

おばさんを先頭に、秘境探検隊のように

奥へ進んで行った。

「ターちゃ〜ん、ターちゃ〜ん!」と

おばさんが呼ぶも返事はない。
 

 

玄関から3部屋目のドアを開けたら…

 

 

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おばさんは、その後もいろいろ話かけていたが

「ん。」

と、おじさんは答えるだけだった。

 

 

 

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おじさんは下がパジャマのままだった。

おばさんも足が悪いので何もできず

指示だけが飛ぶ。

「今日は寒いわよ。ズボンはどこにあるの?

タンスの中?タンスはどこ?」  

 

  

おじさんは、おばさんを無視して

ベッドにかけてあるズボンを「ん。」と言って

指をさした。

おばさんは

「ちょっと、私も足が痛くなっちゃったから

こっちで腰掛けてるわね。

ファッジさん、あとお願い。」

そう言って、出て行ってしまった。 

 

 

 

 

私は、知らない男性のズボンなど

脱がせたことがない。

もう、この時点で帰りたくなった。

しかし、もう引き返せない(泣)

 

 

 

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そんなに勢いよく下ろしたつもりはないが

立っているだけでやっとだったおじさんが

ふらついたと同時に叫び声を上げた。

 

 

しかし、これで私のモヤモヤが吹っ飛んだ。

「大丈夫ですか?ごめんなさいね、

そっとやりますね。」

 

 

 

「ん。」

 

 

 

なんとか無事に着替えも済み

いよいよ病院へ出発。

 

 

 

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おじさんが連れて行ってほしいと言ったのは

整形外科だった。

以前、足首の手術をしてもらった先生に

もう一度診てもらいたいとのことだった。 

 

 

  

診察の順番は一番最後だった。

先生は、おじさんの足を観るとすぐ首を横に振って

「これは腎臓です。内科へ行ってください。」

と言った。

靴下をぬいだおじさんの足は膝から下が腫れ上がり

足の指は紫色に変色していた。

 

 

  

ここまでくるのに長い時間がかかったが

診察は1分となかった。

先生は最後に、もう一度言った。

「すぐ内科を受診してください。

もちろん入院になります。」 

 

 

 

おじさんが少しでも楽になればと思っていたが

何の処置もないまま帰宅になった。

 

 

 

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付き添いとしては、出番のなかったおばさんだが

ついに出番がやってきた!

 

 

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あまり語らないおじさんだが

おばさんがマシンガン話法で

いろいろ聞き出した。 

 

 

 

 

おじさんは定年まで学校の先生をしていた。

厳しくて真面目を絵に描いたような

父親だったそうだ。

娘も先生になったが長男と結婚したため、

嫁ぎ先では、嫁として母として教員として

忙しい毎日を送っているらしい。

「娘には娘の生活がある。」

とおじさんは言う。

 

 

 

じゃあ息子はというと

年は私と同じくらいで現在独身だ。

優等生だった姉と比べると

やんちゃで自由奔放らしい。

近くに住んでいるが、

昔からおじさんとは折り合いが悪く

ほとんど連絡はとってないらしい。 

 

  

おじさんを送り届けて自宅に戻ると、さっそく…

 

 

 

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介護=嫁の仕事

 

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お義母さん節が炸裂した。 

 

 

で、結局お義母さんの言うとおり

隣の市に住む娘さんにまず電話した。

 

 

 

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娘さんは、恐縮しきりだった。

おじさんからは

やはりなんの連絡もなかったそうだ。

お正月に会って以来だそうだ。

 

 

  

おばさんは

「頼んだわよ。大丈夫ね?」っと

確認して電話を切った。

 
 

 

それぞれの立場や考え方がある。

おじさんが、電話番号を教えてくれたのは

自分の本意ではなかったかもしれない。

愛娘を嫁がせ、妻を看取り、そして息子との確執。

いつしか一人生きていこうと

決めていたかもしれない。

 

 

 

しかし、その男のロマンも

おせっかい義親子(私とおばさん)によって

すっかり崩された。

 

 

 

人が老いるのは、当たり前のことだが

若いうちからその覚悟はない。

私もこんな機会でもないと老後のリアルを

感じることもなかったと思う。

 

 

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 

その後、おじさんは入退院を繰り返し

施設入居となりました。

その頃には我が家の在宅介護もピークを迎え

おじさんに面会に行くこともないまま

3年前に訃報の知らせを受け取りました。

 

 

今頃、天国で姑シスターズのマシンガントークに

やれやれ顏のおじさんが想像できます(笑)

 


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コメント

本日2回目の更新有り難うございます😊
一気に読み、なんだかわからないけど、心がググーーってなりました。
高齢者、特に男性の1人暮らしって…
頑張っていたのでしょうね、ターちゃん。シスターズと楽しく過ごしていますね、きっと💦

投稿: ももんが☆ | 2017年6月15日 (木) 21時45分

う〜ん、何だか深すぎる話ですね。
しっかしファッジさんもホントによくやって差し上げましたね。
ホントに尊敬してます。
これからはいっぱい自分の時間取り戻してね!

投稿: megmeg | 2017年6月15日 (木) 21時50分

自分の知ってる人が目の前で倒れたら迷わず助ける‥‥ 親や周りの大人の背中を見て、子供は育つのですよね。
背筋が伸びました。 ファッジさん、ありがとうございます🙏🏻

投稿: 私もアラフィフ | 2017年6月15日 (木) 21時56分

いつも拝観しております。
なんだかとっても深いですね…
ファッジさん、お疲れ様でした。
頭が下がります。

それにしても。
叔母さんすごいですね。

投稿: るか | 2017年6月15日 (木) 22時09分

考えさせられます、気持ちはいろいろに揺らぎますが。。
なかなか出来ないことと思います。

投稿: カナリヤ | 2017年6月15日 (木) 22時56分

泣きました!ファッジさんのブログの意義は、この記事にあると思います。淡々と語られ、誰も責めず協力した事を誇らず、赤面しつつもしたのですよ(///∇///)って。普通の嫁&主婦目線を崩さないまま。押し付けないって、素晴らしいですね。おじさんは、今は楽になっているでしょう(^-^)おじさんが、やっとの思いで姑シスターズに電話をしたのは、やはりお二人が素敵な人だったからでしょうね。嫁の立場だと若干違いはあるでしょうが。

投稿: クララ | 2017年6月15日 (木) 23時07分

深いお話ですね。
ファッジさん...本当にすごい。
当時実際にやったことはもちろん、その出来事をわかりやすく、面白く描ける才能、素敵です。
前後のお話も読みたくなってしまいます。
できましたら元記事のリンク先も載せていただけると有難いです(^人^)

投稿: halmom | 2017年6月15日 (木) 23時13分

ファッジさん、読みやすくして頂いてありがとうございます!!

確か、おばさまの連絡を受けて、娘さんや息子さんがきちんと入院の支度をなさったんでしたよね^_^

我慢強い高齢者の方って多いですよね。
痛いとか辛いとか言わないから、色々な発見が遅れたりして、、
近い身内には甘えられないとかって、分かる気もします。私は自分の老後は、子供達にお願いするより、お金払ってプロにお願いしたいですもん。

ファッジさんの勇気ある行動素晴らしいです。ファッジさんはターちゃんおじさんを助けたと同時に、自力で助けてやれないおばさまや義母さまの心を救ったんですもん。
見習って、自然に人助けできるようになりたい!!お節介と言われても!!

投稿: 香 | 2017年6月15日 (木) 23時15分

2回目の更新 &読みやすくして載せてくださったこと ありがとうございます!

本当に これだけのことをされているのに、さらっと読みやすく、おもしろく描かれていて 「してあげた感」が全くない ファッジさんの人格が垣間見えたような気がします。

ファッジさんは、私の人生のお手本です!

投稿: とんとん | 2017年6月16日 (金) 02時52分

顔も名前もよく知らない人の服を着替えさせ、よく歩けない立てない痛がる人を車に乗せて病院に連れて行く

これできる人って日本に何人いるのかな
本当に少ないと思う

ファッジさんがやらなかったら、このおじさん家で孤独死してたかも
人一人の命救ってますよ

このおじさんの状況うちの祖父に似ていますが、私が面倒見れたのは血と愛情の繋がりあるからです
他人には無理だし、せいぜい身内に連絡するだけ

でもファッジさんもこれ、他人との垣根をどんどん取り払うシスターズが居たからこそですよね(笑)
「さあ、垣根は問答無用で薙ぎ払ってやった!茨がまだ残ってるけどファッジさんこれ乗り越えて向こうで困ってるあの人を助けなさい!」(人任せ)

お疲れさまです
そしてそれをやってのけるファッジさんはリアルエンジェル

投稿: | 2017年6月16日 (金) 04時14分

なんだ、ただの菩薩か(拝

投稿: | 2017年6月16日 (金) 04時16分

(。-人-。)拝
最近過去記事をずっと読み返しているので、この後ノータッチになったファッジさんの経緯も覚えています。ターちゃんおじさんの人生いろいろあったのでしょうが、今は心身穏やかに天国でシスターズと仲良く(?)やっていると思いたいですね。
ちなみに過去記事の10年前くらいのものは数ヶ月間イラストが表示されなかったりするのですが、iPhone閲覧だと見られないのでしょうか?

投稿: Joe | 2017年6月16日 (金) 09時55分

小さな紙切れに~の下り、泣けます。
訳あって長年独居のうちの父もケータイは持っているけどいつも手帳に子供たちの連絡先を書いてました。
他界して遺品整理をした時に大量の手帳が出てきました。
年が変わるごとに新しい手帳になるも繰り返し繰り返し・・・。
年配者の丁寧な手書き文字って心にきますよね。
ちょっとセンチメンタルです。

投稿: まかろに。 | 2017年6月16日 (金) 10時19分

おせっかいかもしれないけれど
いとこにもこんなに心配してあげられる
シスターズにも感激。
そして、それを手伝うファッジさんの姿
観音様ですよ~
切ないけど良い話だ。

投稿: シエルまま | 2017年6月16日 (金) 12時52分

一気に読んでしまいました。なかなか深い深い内情のようですね。でもどこの家庭にもありそうなお話でもありますね。これからもっとこういう事例が増えてくるでしようね。それを考えまするところファッジさん宅はヨイ嫁に恵まれているという事になりますね。なかなかないですぞ、今の世の中~

投稿: 海風 | 2017年6月17日 (土) 11時47分

とても寂しくなりました。子供達が巣立ったら、健康でいなければ、迷惑をかけますね😢
だけど老いは、悲しいですね。
息子がやるべきだと思うけど💦
おじさん…。

悲しい。

投稿: りんご | 2017年6月17日 (土) 16時21分

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