認知症初期症状と家族
ダンナの古くからの友人で
母と2人暮らしの男性がいる。
その彼から電話で
「3週間入院していた母が退院したけど
帰宅後、物忘れや失敗行動が増え
以前のような生活が送れなくなってきた」
と相談された。
85歳のしっかりしたお母さんだったが
生活環境の変化で
認知症が発症することはよくある。
自宅で日常生活のリズムが戻れば
少しづつ回復していくと思うが
それを根気よく見守る家族の心労は
大きい…
入院前の介護認定では「要支援」
だったそうなので
もう一度、認定してもらうよう伝えた。
そして
「お母さんを叱らないでほしい」と
付け加えた。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
お義母さんもずっと認知症を患っていたが
初期の頃を過去記事まとめしました。
2007年の記事より〜
おばさんは退院してから調子がいい。
膝関節変型症で両足に人工関節を
入れているがその片方の人工関節が
不具合をおこしての再手術だった。
入院前は膝が痛いのと再手術の不安とで
とても情緒が不安定だったが、
思いきって手術をして正解だった。
表情もとてもいい。
ところが…
おばさんがどこにもいない。
お昼過ぎても戻ってこない。
そろそろ本格的に心配になってきた頃に…
お義母さんは心配事があると怒るタイプだ。
この時も心配しておばさんを探していたのに
逆に叱られて、怒りが沸点に達した。
おばさんの体調が
良くなっていくのに反比例して
今度はお義母さんの様子が悪くなってきた。
||||||||||||| _| ̄|●||||||||||||
おばさんが、半べそかいて来た。
なにやらお義母さんの様子が
いつもと違うというのだ。
お義母さんのきれい好きは昔からだが
ここまで辛辣におばさんに
言うことはないだろう。
しかもお金の話はなおのこと変だ。
なにやらとんでもないことが
始まりそうな悪寒…
おばさんの入院中に
私がお義母さんに頼まれて銀行から受け取った
定期積金48万円が出て来た。
これでおばさんにも証明ができて一安心。
しかし、やれやれもほんのつかの間
翌日にはまた48万円がないと
お義母さんが言う。
おばさんが退院した安心感からか
お義母さんのネジが少しゆるんできている。
特にお金に関しての記憶が
どんどん吹っ飛んでいく。
最近は「ボケ」とか「痴呆」とか
人格を否定するような言い方を
してはいけないそうで「物忘れ」という
表現をする傾向があるようだ。
お義母さんの物忘れが
加速している(汗)
またここで肉親か嫁かで温度差を感じる私だ。
ダンナとおばさんは
お義母さんの「物忘れ」対して
非常にイライラしている。
「情けない!」と言って、おばさんなどは
怒りを通り越して涙がでてくるようだ。
その点私は自分の無実が証明されているので
お義母さんから何度疑われても
別に腹は立たない。
それどころか今のところやさしく接する
余裕もある。
「見つかるまで一緒に探しましょう」
「お義母さんのことだから
必ずどこかに仕舞ってあるますよ」と
まっこと第三者的立場をキープできる。
自分で言うのもナンだが
客観的になれるのが嫁のいいとこ
ではないだろうか?
(客観的=別名「冷たい」?)
しかも
「さて、いつ診察してもらおうか…」
などと冷静に考えている自分が いる。
あーあーおばさん、
カッカしちゃダメだって…
と思うが難しい。
お義母さんは月に1回
かかりつけの病院に通っている。
予約日時が決まっているが、
毎回なんだかんだ言っては
バックれる。
大切な血圧の薬を
処方してもらっているので
今月の予約日も私が一人で
病院に出かけるはめになった。
やはり、物忘れは緩やかに進行している。
特に生活を共にしているおばさんは
痛感しているらしい。
その旨を主治医に話した。
以前、このブログの読者の方から
「最近は認知症をおくらせる薬がある」と
いくつかのコメントをいただいていた。
しかし、実際に受け取ると
この薬をどうやってお義母さんに
飲ませればいいのか困ってしまった。
やはりここは生まれてこのかた
寝食を共にしてきたおばさんに
頼むしかないだろう。
私は、まるで裏ルートで手に入れた
薬の売人のように
「イチニチヒトツブ。オーケー?」
と渡した。
今回いただいた薬は
お試し薬で軽い3mgのものだ。
これを2週間飲んで体調が良ければ5mgの
本格的な薬が処方されるらしい。
副作用は胃もたれや吐き気。
この症状がでたら
服用をストップしてくれと言われた。
病は気からのお義母さんは
はじめにこの説明をすると
絶対に胃もたれや吐き気がする人だ。
おばさんもそれは激しく同意していた。
「なんとか私が飲ませてみるわ」と
難役を引き受けてくれた。
しかし、こちらの心配をよそに
その後すぐにお義母さんが
私の所にお礼に来た。
あ〜やっぱりね。
認知症の薬だとは、さすがのおばさんも
言えなかったようだ。
心中お察しする。
しかし、これからずっと
うそをつき続けることに なったわけだ。
少々、気の重い船出になった…。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
認知症が発症した親を在宅介護するには
ずっとそばで見守る人が必要になってきます。
1人にしておくと
お金や書類の紛失をはじめ
水まわりや火まわりの過失や徘徊など
重大な事故にもつながりかねません。
初期の段階で介護認定を受け
デイサービスやショートステイが
利用できる環境をぜひ整えてほしいです。
働き盛りの方が介護離職にならないよう
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コメント
やーーー、過去記事もいつまでたっても色あせず読み応えありますね。
客観的になれるのが嫁のいいところ、私もそう思います!
投稿: えいた | 2017年7月29日 (土) 12時35分
ほんとに認知症はその人によって全然症状進み方あらわれ方違いますね、まわりに昔で言う痴呆症のかたが身近にいた・いない少しでも接していたりしたら・・・違いますよね自分の親だと違うと確かに客観的に見れるのはあるかも 内の義母様も骨折手術入院して退院しましたが「私手術したらしいなー 」施設の職員さんに言われるとかすかに思いだすみたい職員さんの顔が覚えられないとよくぼやいています
投稿: nana | 2017年7月29日 (土) 12時49分
認知症の記事を見ると、いろいろ思い出して胸がきゅーんとなります。
「さっき言ったのにもう忘れちゃったの?」と言えたらどんなに楽かと何度も思い。
それを軽々口にできるダンナが羨ましくも、それ以上言っちゃダメという私がいたり。 ファッジさんの考え方が私もできればよかったのですが、私はダンナみたいにお金のことをどんどん忘れる義母に辛辣な言葉を言えたらどんなに楽か、と恨めしく思うばかりでした。
本人に罪はないことはわかっているのですが、いくら認知症とはいえここまで罵られる筋合いはない、と常に心にわだかまりばかりが膨らんでしまいました。今ならちゃんと対処できるかな、と思う反面やっぱりできないかな・・と思ったり。
投稿: よっしー | 2017年7月29日 (土) 13時40分
若い時に肺水腫で入院し2か月ベットで寝たきりだったことがあります。2か月間ずっと24時間薬剤入りの点滴をし、私の場合は重傷で心臓の方にまで影響が有ったのでトイレへ行くのも車椅子で看護師さんの送迎付き。退院後も食事制限と水分制限を続け、半年間はまともに動けませんでした。
発病前は至って健康だった私でさえこんなだったので、ご友人のお母様の場合も入院中はほぼ寝たきりに近かったのではないでしょうか。
私は元看護師で、他の病院での勤務経験がある同僚の話では発病前は元気だったお年寄りでも病気によっては入院中に認知症状の出てしまう方は多いそうです。安静を強いられていたり入院中の外界との接触遮断から(これは精神的に辛かったです)、脳への適度な刺激が足りなくてなどから認知症状が出てしまいやすいとか。
他に、経管栄養などによる摂取カロリーがその方には多すぎてしまい(安静にしないと成らないので過剰になることが有る)、肥満になり認知症状が出てしまう人も。
手術をしたお年寄りだと代謝が遅かったり麻酔成分の影響で、成分が体から抜けきらずに半年間や一年間ぼーっとする認知症に似た症状になる人もいて、そういう方はすっかり成分が体から抜ければすっかり元に戻られます。
入院がきっかけで認知症状になっていても、退院後のケアが適切に行えれば段々回復してきて元の様に元気に過ごす事のできる方もおられます。肺水腫で心臓の方にまで影響のあった方だとお年寄りだと血流自体も悪いのでしばらくは動きが鈍く、認知症状も続きやすいかもしれません。でもそのまま認知症に移行してしまうとは限らないと思います。
まずは付き添い付きで軽い散歩などから始め、無理のない頻度で軽い運動を続けたり(老人対象の民間のジムなど)以前の趣味を再開させたりで無理のない程度に体と頭を使う動作を続けてもらい、少しでも興味を持ったことへ導いてあげる(近場への日帰り旅行や、民間のディサービスの利用など)事が回復につながると思います。
あと、入院中に心配事がきっかけで「うつ症状」に陥る方もいてお年寄りだとこれが認知症と思われてしまう事もあります。
まずはご友人の方に、お母様がまだ認知症の診断を受けていないのなら病院で認知症検査を受けてくる事をお勧めして、その時に肺水腫でしばらく入院していたことをお伝えしておく事をアドバイスなさってください。初診の際には日々気になっている行動を日付け付きで小さなノートなどに書き留めておいたものを受付時に渡して先生に見ていただきたいとお願いしておくと良いです(受診者本人の目の前で医師に渡してしまうと警戒し行動を取り繕う事があるため)。
一時的な認知症状や「うつ病」なら通院・投薬でより早く元のお母様に戻りやすくなりますし、残念ながら認知症確定であるなら初期の内から治療すれば症状が酷くなる前から進行を遅らせることが出来、介護保険を利用してケアマネージャーさんと話し合って利用できるサービスを受けることにより、家族の負担も軽く出来ます。
投稿: ましろ | 2017年7月29日 (土) 14時06分
過去記事をしっかり読みつつ、介護していく側の大変さを改めて感じます。職場でも、最近は介護の為に退職される方が少しづつ増えてきています。介護されている方は、決して1人で頑張らず是非周りに声を出して欲しいと思います。
投稿: ももんが☆ | 2017年7月29日 (土) 14時26分
自分の過去を思い出してちょっと涙が出そうになりました。今は大方落ち着くところに落ち着いている親たちですが、その都度その都度問題が起こって、てんやわんやだった時期がありました。
「病気のせいであって本人のせいじゃない」、とケアスタッフさんに言われた時もありますが、言っているのは、やっているのは本人に違いないじゃないか、と、どうしようもない気分に襲われた時もありました。
いまだにちょこちょこ問題が起こるたび、いつまで続くのか・・・となかなか明るくなれない10年選手です。
投稿: アトム | 2017年7月29日 (土) 14時51分
客観的でいられたのはおばさんがいてくださったからでは……
一対一だとたちまち渦中の人…
投稿: はな | 2017年7月29日 (土) 17時30分
入院に伴う一時的な変化は、認知症ではありません。せん妄といいます。ぐぐってみてくださいね!
投稿: みほ | 2017年7月29日 (土) 17時34分
いやー、今日の記事はとても参考になりました。
初期って振りかえれば、そうだったと思えても
当事者には、どこかそんなはずではないと
悶々しつつ客観的にはなかなか見れない。
自分の親の場合は特に。
みんな(みんなではないかも)そうなのね、
そんなものなのね、と安心納得な記事でした。
ただいま要介護2。変化中の親みてます。
投稿: まろにゃん | 2017年7月29日 (土) 18時49分
懐かしく読ませて頂きました、「叱らない」を心にとめていきたいと思います。
投稿: カナリヤ | 2017年7月29日 (土) 19時19分
過去記事も良く読み返しています
うちの母も大腿骨骨折で入院した時、せん妄がありました
家に帰ったら治りましたけど、やはり半年ほどしたら認知症の
症状がでてきました お金がないとか、食事の事とかは全くなんとも
なかったけれど、トイレの失敗から始まりました
人それぞれですね
今日とても元気よくショートステイから帰ってきました
デイサービスやショートステイは介護する家族にとって本当にほっとする時です 母に優しく接してくださる職員の方々に感謝しています
投稿: おひろみ | 2017年7月29日 (土) 20時49分
昨年、義母が緊急入院しました。
命に関わる大病ではなく、順調に回復して今に至ります。
退院後も家では元通りの生活をしてますが、退院後の診察で「物忘れの兆候がある」「自分のことにも無関心」と医師に言われました。
大嫌いな病院で、意にそわない団体生活(入院ライフ)をしたから、白衣をきた医師に無愛想になっただけじゃない?と思いましたが。
「口数が少なく、社交的とは程遠く、気むずかしさもあり、頑固ジジィのようなマダムです」なんて言えない。
脳が酷使されない限り、認知症にはならない気がしました(ボケた身内をみて思う)。
投稿: おけい | 2017年7月29日 (土) 21時19分
今まさしく渦中におります。
皆さまのコメントを含めて何回も読みました。
「客観的になれるのが嫁のいいとこ」その通りだと思います!
良いケアマネさんにも恵まれて色々教えて頂きながら奮闘してます。
ファッジさんの過去記事も本当に役に立っていてありがたいです。
夫が一人っ子なので大変は大変ですが
何を決めるのも自分達だけでできるので「気が楽」と思うことにしています。
伴侶が5人兄弟の友人は「みんな文句言うばかりでお金も手も出さない!」と怒っています。
投稿: うさぎのしっぽ | 2017年7月30日 (日) 15時10分
とても参考になりました。
ファッジさんの過去ログは
ためになることばかりです。
近い将来のために、嫁勤めのバイブルとさせていただいています。
投稿: るか | 2017年7月30日 (日) 17時02分
久しぶりにコメントをいたします。
昨年の夏、我が家の義母子さまが1ヶ月の入院をいたしました。その頃からトイレの失敗とか「?」と思うことがあったのですが、それから1年経ち不思議な言動が増えました。小人が夜中に部屋で作業しているとか、野菜が部屋中に置いてあるとか…。夜になると言い出します。
主人は認めないのですが、認知症が始まったのだと思います。
子どものことでお金がまだまだかかるので介護離職だけは避けたいと思いながら不安の中にいます。
ファッジさんのブログは私にとっての教科書です。これからも色々と教えてください。
投稿: 疲れた嫁 | 2017年7月30日 (日) 20時57分
私も母の介護中、薬を飲んでもらうのに苦労したことを思い出しました。
どうも怪しいものは口に入れたくないという本能が働いていたようで、錠剤の薬を口の中に入れてあげるところまでしていたにもかかわらず、そのあと口から吐き出し、朝起きた母の布団の中で薬を発見する、といったことが何度もありました。
結局私が食べているお菓子のラムネを分けてあげるという設定にすることで、飲んでくれるようになりました(笑)おいしいものは絶対食べたい、という性格がいい方向に!
そんな母も今年亡くなりましたが、今はいい思い出です。
投稿: まんまる | 2017年7月30日 (日) 23時28分
長いことただの読者でありましたが、いよいよ身近に認知症の介護が必要になってまいりました。
こちらのブログのおかげで予備知識はあったつもりですが、
こうして初期のころの様子を再掲載していただけると、
うちの現状と同じだわ!勉強になるなぁ~ という気持ちと、
私のためのお助け再掲載?!頑張らねば! という気持ちになります。
うちのことなんか知るわけないのにね。
こちらのブログが心の支えになっています。
いつもありがとうございます。
投稿: CF | 2017年7月31日 (月) 13時59分